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ジャイアントキリングや大金星は失礼なのではないか

メディア

サッカーワールドカップで、日本代表がスペイン代表に勝ち、グループステージ1位でノックアウトステージへと勝ち進んだ。メディアで見受けられる「ジャイアントキリング」や「大金星」という表現は適切なのか。

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彼らは「ベスト8」を掲げていた

サッカー日本代表の森保一監督は、以前からベスト8を掲げていたし、JFAとしてもベスト8を掲げている。

そもそもJFAはJFA2005年宣言で「W杯で優勝する」ことを掲げている。ただこの時点ではDREAMである側面は強かったのだろう。

今回のワールドカップの代表選手発表時の会見記事で以下のような記述がある。

ベスト8以上という目標について森保監督は、「強豪ばかりで簡単ではないが、サポーター、国民の力を借りれば必ず目標は達成できると思う。世界の舞台で日本人一丸となって戦い、新しい景色を見て一緒に喜びたい。ドーハの悲劇を歓喜に変えたい」と強い決意を示しました。
反町康治 JFA技術委員長
SAMURAI BLUEは今回で7度目のワールドカップ出場です。しかし、残念ながらいつも脇役で終わっています。今回はカタール大会で主役として、ぜひともベスト8以上の成績を残して、新しい景色を見たいと思っています。
田嶋幸三 JFA会長
今回、グループステージでは2度のワールドカップ優勝経験のあるドイツとスペイン、そしてブラジル大会でベスト8という、私たちがまだ見ぬ景色を見ているコスタリカと同じ組です。簡単な試合ではないですが、我々が目標とする新しい景色を見るためには勝たなければいけない相手ですし、2050年までにワールドカップで優勝するというJFA2005年宣言を考えると、この公式戦で強豪と対戦できることは、この上のない喜びであり幸せです。グループステージを突破してベスト16、ベスト8と駒を進めるべく、日本サッカー協会一丸となって進んでいきたいと思います。ワールドカップが夢のまた夢だった時代にサッカーを始め、応援してくださった多くの皆さま、オフィシャルパートナー、オフィシャルサプライヤー、サポーティングカンパニー各社の皆さま、すべての方々に感謝を申し上げます。

SAMURAI BLUE森保監督、「組織として個の力を出せる」チームでドーハの歓喜を目指す、JFA.jp、2022/11/2

監督としても、協会としても目標は「ベスト8以上」ということで一致している。ベスト8ということは、グループステージを突破しなければならないわけであることは明白だ。

そのためには、スペイン戦前の条件を見れば勝つしかなかった。スペイン代表との対戦成績は2001年の1度だけで0-1で敗戦を喫している。アンダーカテゴリに目を向ければ東京五輪で対戦しているが、ワールドカップはA代表だ。

結局のところベスト8以上を目指てしてるチームにとって、グループステージは通過点に過ぎない。選手や監督、協会にとって勝ち抜かないといけないものである。もちろんランキングの上では上であるし、下馬評はスペインのほうが上だろう。しかし負けるつもりでやっているわけはないだろう。

各社の報道

【ドーハ時事】「ジャイアントキリング(番狂わせ)再び」。 決勝トーナメント進出を懸けた運命の一戦。日本はドイツに続き、強豪スペインを撃破し、1次リーグの首位通過を決めた。「歴史を変えろ」「眠れない夜に」。サポーターらは熱狂の渦に包まれた。 決戦の舞台は、ドイツ戦と同じハリファ国際競技場。今回は競技場の大半をスペインサポーターが埋め尽くし、日本サポーターは肩身が狭そうだった。それでも、力いっぱいに「ニッポン」コールを送り続けた。

「歴史を変えろ」「眠れない夜に」 スペイン撃破、サポーター熱狂 競技場に響く「ニッポン」・W杯サッカー、時事通信、2022/12/2 8:23

【ドーハ=小松大騎】2度目の大金星を成し遂げたサムライブルー。ドイツ戦を彷彿(ほうふつ)とさせる奇跡の逆転勝利にスタンドでは感動から号泣するサポーターが続出するなど、大いなる歓喜に湧いた。決勝トーナメント進出をかけ、ドーハの地で行われた「無敵艦隊」の異名を持つスペインとの一戦は、前半に先制される苦しい展開ながら後半に怒濤(どとう)の連続ゴールで逆転。試合終了のホイッスルが鳴り響くと、選手たちがピッチに飛び出し、歓喜の輪ができた。興奮状態の日本サポーターから大きな声援が送られ、日本代表は悲願のベスト8という「新しい景色」への挑戦権を手にした。

感動の大金星再び スタンドは号泣と熱狂の渦 「新しい景色」へ日本代表が挑戦権、産経新聞、2022/12/2 8:14

日本代表がスペイン代表に歴史的な勝利を挙げ、グループE首位で決勝トーナメント進出を決めた。11分に先制ゴールを許し、圧倒的にボールを支配される苦しい展開になったが、後半に攻撃的な選手を続々と入れた采配がまたも的中。48分に堂安律が同点ゴールを決めると、51分には田中碧が三笘薫の挙げたクロスに体ごとゴールに飛び込むように逆転ゴール。リードを奪ってから40分以上、スペイン代表から厳しいプレッシャーを受け続ける中、守り抜いてまたもジャイアントキリングを果たした。試合後、インタビューに応じた森保一監督は「選手たちが違った新しい景色を見せてくれた」と、大声を張り上げていた。

日本代表、またも歴史的勝利!森保一監督「選手たちが違った新しい景色を見せてくれた」、ABEMA TIMES、2022/12/2 6:20

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は1日(日本時間2日午前4時)、1次リーグE組の最終戦があり、日本(世界ランキング24位)はスペイン(同7位)に2―1で逆転勝ちし、2大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。E組を首位で突破した日本は5日の決勝トーナメント1回戦で、F組2位で前回大会準優勝のクロアチアと対戦する。

日本、再び歴史的勝利 スペインに2-1、2大会連続の決勝T進出、朝日新聞、2022/12/2 5:55

ドイツ代表戦に続く金星を挙げた日本代表には「勢いが半端ではないので、これならどこにでも勝てそうな気がする」と期待。「ベスト8という、まだ見たことのない景色を見てみたい」と足取り軽くスタジアムを後にした。

ドーハで応援のサポーター歓喜「夢見ごこち」「本当に勝てるとは」「勢い半端ない」、読売新聞オンライン、2022/12/2 07:32

案外大手メディアは使っていない?

試合そのものを報道する際には、ジャイアントキリングや大金星といった表現は案外見られない。

ファンの様子や海外のメディアの状況を伝える際に使われている。又はサッカー専門のメディア。こう考えてみると案外適切か。

ちなみにABEMAの実況は「アップセット」という表現と多様している。

大金星は、「事前の予想を覆す、驚きを伴った勝利」。ジャイアントキリングは「明らかに格上の相手から大方の予想を覆して勝利をもぎ取る」。

サッカー専門メディアは、そもそも勝てると思っていなかったのだろうか。そもそもどのあたりからが格上なのだろうか。

ワールドカップにおいて、FIFAランク1桁国に勝利することは初めてで、2大会連続でノックアウトステージに進むこともアジア勢初めて、勝利数やノックアウトステージへの進出回数もアジア最多となった。「歴史的勝利」と表現するのは何ら違和感もない。

格上や格下と決めることは、日本代表自身へのリスペクトや、相手国に対してのリスペクトを欠く表現なように思えるのだ。そもそもFIFAランキングはあるものの、直接対戦したことがあるわけでもないし、歴代対戦成績を見てもアジア勢同士でなければ数十年以上前に対戦したことがある国なんてものたくさんある。A代表のみの試合は年に10試合程度だ。もちろんある程度は参考になるだろうが、目安に過ぎないだろう。

各国の報道を見ても自国偏重でもいいのでは

卑下する必要もないし、相手を格上に見すぎる必要もないだろう。大金星やジャイアントキリングのような表現を安易に使うのは、そのチーム自体を下に見ていて、選手たちに失礼なのではないかとやはり思ってしまうのだ。

「勝利した」「歴史的勝利」ぐらいの表現は違和感を感じないが、このペースで「大金星」と評するのであれば、ここから先の試合で勝利すると再び「大金星」なのだろうか。やはり少し違和感を感じてしまうのだ。

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