「見えない恐怖と戦っている」かコスト
見えない恐怖と戦っていることに尽きるだろう。
現実問題、紛失したとして悪用されるリスクは、運転免許証だろうが、健康保険証だろうがあるわけだ。
もちろん、健康保険証を「他人が病院」で使ったとして、窓口での支払いはその人がやるのであるし、保険請求されるのは、健保組合であるはずだ。そうなると国民側はあまり影響がないといえなくもないだろう。ただし、身分証明書として「健康保険証」は使える場所はまだあるわけで、その意味では見知らぬ債権ができる可能性は否定できない。
こうして考えてみると、基本的にリストという面では「マイナンバーカードを紛失した場合」と「健康保険証を紛失した場合」で変わることはないだろう。
「マイナンバーカード」で、お金を引き出せるわけでもないし。マイナポータルにログインしてしまえば、所得額や税金は見られるが、そもそも紛失した場合には停止するべきなのだ。キャッシュカードやクレジットカードをなくしたのに、停止しないことはないだろう。なくしてすぐに損失を被るリスクといえば、クレジットカードやキャッシュカードのほうが上だろう。(クレジットカードは、不正利用と認められれば戻ってくる可能性はあるし、キャッシュカードも止めさえすればある程度は戻ってくる可能性はある)
しいて言えば、コストだろう。マイナンバーカード側というよりも、病院側の話だ。
顔認証付きカードリーダーとパソコンは最低限必要だ。顔認証付きカードリーダーは、病院3台、診療所1台まで無料提供される。それ以外でもその他の費用を補助が設けられている。とはいえ、病院の場合は、1/2の補助であることに注意したい。そもそもコロナで混乱があり、経営が悪化している病院もある中で早急に進めることは可能なのか、気になるところである。
市町村は多少コストは下がるかもしれない
会社勤めで、健康保険組合の場合は、入社時に発行されそのまま使い続けることになるだろう。その意味では、
「国民健康保険」である場合、健康保険証は毎年発行される。(今年は後期高齢者は2回変わるが)毎年変わるのだ。
国民健康保険の加入者は、毎年新たなカードが送られてくる。もちろん保険料として支払う分のほうが多いだろうが、「毎年発行し、郵送で送る」という作業が、電子になれば各段に楽になる。そのあたりはメリットといえよう。ただし、これは国民健康保険に入っていなければ、関係がないし知らない話だ。特段メリットを享受するわけでもない。
メリットを完全に享受するのは相当先
マイナポータルにこのような記述がある。
Q:マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットは何ですか。
マイナポータルQ&A
A:転職・結婚・引越ししても、新しい健康保険証の発行を待たずに、保険者での手続きが完了次第、マイナンバーカードで医療機関・薬局を利用できます。
また、マイナンバーカードを用いて、診療・薬剤情報、薬剤情報、特定健診等情報、医療費通知情報を閲覧することが出来るようになります。薬剤情報と特定健診等情報については、患者の同意を得た上で医療関係者に提供し、より良い医療を受けることが出来るようになります。
短期的なメリットは、「転職・結婚・引越し」時にすぐに使える可能性があるぐらいだろうか。
「診療・薬剤情報、薬剤情報、特定健診等情報、医療費通知情報を閲覧」といっても、多くの人はそんなに見るものではない。医療関係者に提供しより良い医療を受けるのは、すべての病院で電子カルテと連携された後の話だろう。
大きい病院や新しい病院では、電子カルテも入っているであろうが、一般病院の普及率は5年前で46.7%、令和2年で57.2%だ。一般診療所であれば、令和2年でもまだ49.9%で、半数以上は未導入だ。(参考資料)
そう考えると、完全に統合されたとはいえ、早すぎる以降であった場合、単に保険請求ができるところまでしかしない病院・診療所があってもおかしくはない。システムを入れる、入れ替える必要が生まれてくるわけでしかたがない。病院が自らできるわけではないし、業者に頼まなければなにもできないのだから。
もちろん、国の情報管理等問題はあろうが、マイナンバーカード・マイナポータルがある以上、さほど変わるものではない。結局のところ整備が何も進んでいないのに進めていくところは多少無理があるが、そうでもしないと変わらないのもまた日本らしいといえるのかもしれない。
もうすでに、マイナンバーはあるのだ。マイナンバー法によって、管理は法整備化されている以上そこに任せるしかないのだろう。
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