

台湾での地震
なかなか大きめの地震が昨日の夜間と今日の日中と立て続けに起きている。
そんな中で、メディアの取り上げ方を見てみたい。
テレビ朝日
テレビ朝日は、「台湾南部で震度6強」と伝えている。
共同通信
共同通信は、見出しで「台湾南東部でM6.4 台東県の震度6強、全土で揺れ」としている。

ウェザーニュース
ウェザーニュースは「台湾付近でM6.6の地震 津波被害の心配なし 台湾で現地震度6強を観測」と伝えている。

NHK
NHKは、今日の地震については「沖縄 宮古島・八重山地方に津波注意報 台湾付近でM7.2の地震」とあるが、昨日の地震についてはwebでは見つからなかった。

TBS
TBSは、今日の地震については、「沖縄県で最大震度1の地震」と報道した15分後に、「【速報】台湾東部でマグニチュード7.2の地震」と新たにお報道した。



震度階級は国ごとに違う
震度階級は国ごとに違うのだ。日本の気象庁が発表するもの(気象庁震度階級)と、USGS(アメリカ地質調査所)が用いるメルカリ震度階級、ヨーロッパ振動階級、中央気象局震度階級(台湾)と震度階級にはさまざまなものがあるのだ。
そんななか、見出しで「震度6強」と出したテレビ朝日と共同通信である。
共同通信は本文で「台湾の中央気象局によると」としているものの、テレビ朝日は本文で「中央気象局」が出る前に「震度6強」が出てくるのだ。
これはインパクト重視の姿勢の表れなのか、そもそも正確に伝える気がないのかわからないが、いささか不適切な記事だと言わざるを得ない。
中央気象局震度階級が10段階に改められた今、気象庁震度階級とほぼ同等であろうが、国が異なるため観測環境の条件等が異なる可能性があることに留意するべきだろう。
また、マグニチュードも日本で通常使用されるマグニチュードは「気象庁マグニチュード」であることにも留意すべきであろう。これが昨日の地震の「ウェザーニュース」と「テレビ朝日・共同通信」のマグニチュードの数値の違いであろう。
地震報道は難しい
地震報道というのは難しいのだ。
日本のように、阪神大震災以降にあらゆるところに震度計がある国など、稀なのである。
日本では全然被害が出ない規模でも、被害が出る国はいくらでもあるし、世界的な基準が整備されているものでもないのだ。
なんとなく伝えられるのは、震源の深さとモーメント・マグニチュードであって、震度という概念は個々それぞれ別に定義しているのだから、「現地では○○とされている」ぐらいに留めておくべきであろう。
日本人が「震度6強」と聞けば、当然気象庁震度階級の震度6強を想像するのだ。
そこに揺らぎが生まれるべきではない。そう考えると、やはり気象専門機関である「ウェザーニュース」の表現が一番適切であるといえるのだろう。
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