
日経以外にも各社が報じているところであるが、セクハラ疑惑が報じられた熊野参議院議員が辞職した。
7月の参院選で比例区選出
7月の参院選で2期目の当選を果たした、熊野正士氏。9月30日で辞職願だして許可された。
9月6日にセクハラ疑惑が文春オンラインとデイリー身長が報じたところだ。
本人は事実だと認めていないものの当選して1か月ちょっと経った8月26日から入院をし続けていることは少し興味深いところではある。事実ではないならば、堂々と会見でも開けばいいだろうに、その前から入院をそ、面会謝絶とはいったい何があったのか。
党としても、9月9日に名誉棄損を理由に週刊誌を提訴しており、なかなかの泥沼感を呈している。というか、党側も否定して、本人とも会っていなさそうなのに提訴まで踏み切る姿勢はどんな信念があるのだろうか。
比例区選出なので議席に影響しない
結局はこれに尽きるだろう。もし彼が選挙区選出だったら辞めないだろうし、公明党も辞めさせないだろう。議席が1つ減るのは惜しい。まだ選挙から3か月たっていないのだ。もし選挙区選出議員ならば、あと2週間は待ったはずだ。
いずれにせよ、今回の当事者は公明党の比例選出議員であって、議席にはいつ辞めようが影響がない。疑惑とはいえ、話題に上がり続けるのがマイナスだと判断して辞めるのは潔いとは思う。
公明党は「事実であれば、党として議員辞職を求める」としているなか、本人が否定するなか結局辞職するというよくわからない着地を見せた。これは、事実上認めたと判断するべきなのか、入院しているしイメージよくないからやめるのか、党から圧力があったのかよくわからない。
入院している人物に面会を市に行って、その場で「辞職願」に署名したというのだ。そもそも辞職願を準備して面会にいっているのだろうか。そう考えると、党側からの圧力があったようにも思えてくるし、公明党の統制力の賜物ともいうべきであろうか。
そう考えてみると、公明党という宗教政党は、宗教という軸があるからなのか一番統制力、統率力があるのかもしれない。
議員辞職されるとあまり報道されない
元議員って報道するインパクトに欠けるところがある。そう考えると、とっとと辞めた方が報道の過熱感もおさまるし、長い目で見れば得なのかもしれない。
そう思うと、1か月入院して間が開いたとはいえ、やめる決断をしたのは順当なのかもしれない。
そんな中で、18歳と飲酒した吉川赳衆院議員は比例区選出の衆議院議員であるのにもかかわらず、結局離党しただけで議員にとどまっていたり、維新の吉田豊史衆院議員も比例区選出の衆議院議員でありながら、金銭を要求したとして盛り上がっているが「離党勧告」なのだ。
吉川氏は、党としては何も処分せずに離党届を即日受理している。
吉田氏は、党としては離党勧告処分で辞めなくても除名なので、結局議員辞職までは求めていない。
そう考えると、自民党も維新の会も不祥事議員を非難しつつも、比例区選出でありながら議員辞職まで迫っていないという甘々な対応ともいえるのかもしれない。こうみると公明党の存在価値は抜きにしてもまとまりがあるようには感じるところだ。
結局、議員は議員を辞めさせない
自分たちのクビを締めかねないことは結局やらないんだろう。そう、やらないのだ。
何をしたって議員であり続けるんだ。連座制で自動失職とかにでもならない限り。そういう人たちの集まりなのだろう。
何か不祥事があっても結局「離党」をするのだ。「離党」したところでそんな議員に発言力もないし、何もできないのにだ。そう、離党した時点で価値なんてないのだ。発言することもできないし、報道されることもない。説明せずに逃げ回っても任期中は議員で居続けられなくもないのだ。
憲法が――とかはもちろん理由としてはあるんだろうが、比例区で選ばれたのに離党が認められる現行制度がそもそもおかしいのだ。政党が選ばれたのに、個人で何ができるんだ、と。こんなところはとっとと法整備をすればいいだけなのに、彼らは一向にしないのである。
現にあの世間をにぎわせたNHK党の東谷氏だってそこまで報道されなくなったうえに、彼もまだ参議院議員なのだ。辞めさせるのは「除名」でしかできないのだから、ハードルは高いのだ。
結局、議員なんてこんなもんなのかもしれない。
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