

新しくアップデートは、頭痛が痛いと同じ?
「アップデート」つまり「update」は、
他動詞として
〔最新の情報で~を〕改訂する、更新する、最新の状態にする」
名詞として
- 〔最新の情報で〕改訂[更新]すること
- 更新[最新]情報
- 《コ》アップデート◆ソフトウェアなどの小規模な更新。
という意味を持つ英単語である。(引用:アルク英辞郎)
つまり「アップデート」は更新するものであるから、必ず新しいはずである。
そもそも新しくないのであれば「ダウングレード」であろうし、スマホアプリにはそんな機能がないので「アップデート」=「新しくする。最新にする」といったところであろう。
そう考えると、「頭痛が痛い」のように頭痛自体に「痛い」という意味がある重言と同じなのであろう。
「アップデート」ボタンがあるからわざと表現しているだけ?
こうであるはず。こうであってほしいのだが。
Androidの場合、アプリストアをみると「利用可能なアップデートがあります」と表示され、
リストをみると「すべて更新」「更新」と出てくる。


一方で、Appleの場合は「すべてをアップデート」「アップデート」という表示である。

日本がiPhoneユーザーが多いから「アップデート」という表現を入れたかったのか?
でも、簡単スマホはAndroidだし、NHKの意図するところは何なのだろうか。
少なくとも、「新しくアップデート」という二重表現は理解を深めるためなんだ、というのは少しばかり横暴な気がしてならない。どんなに老人をターゲットにしていたところで、スマホを使っている老人なら「アップデート」はわかるだろうし、英語がいやなら「更新」あたりの表現でも伝わるだろう。
素直に「更新されたアプリ」「最新のアプリ」あたりでも十分に通じるだろう。
どうせ外注だろうし、そこまで深く考えていないのかもしれないが、無駄にこだわるNHKにしてはいささか不思議な表現である。
「新しくアップデート」が許されるとしても「新しくないアップデート」は存在しえないのだからやはり、私としては引っかかるのだ。
技術系の知識が皆無なだけ?
らじるらじるのページにもう1つおかしい表現を見つけたので紹介しておきたい。

そう。「Android OS」なのだ。
もちろん、iOSとしての対比として書いたのだろう。それはわかる。
ただし、iOSはOSを含めた名前なだけであって、AndroidはAndroidなのだ。まぁこれに関しては、他のメディアや、サポート系企業でも多く使っているから気にしてもしょうがない。
これはAndroidがOSであることをわかっていない層が一定層いるのだろうし、「OS」を強調したい二重表現として成り立つのであろう。
ただし、AndroidがOSであることをわかっていない層に配慮したところで、そもそもOSが何なのかを理解していないので説明・強調するだけ無駄な気もする。
「新しくアップデート」は流行るのか
「新しくアップデート」で検索しても、でてこないのだ。やはり普通ではない表現方法なのか。
多く見受けられるのは
- 最新バージョンへアップデートする
- 「アップデート(ソフトウェアの更新)」によって、新しい機能……
- アップデート(更新)する
のような形が多いのように思う。
「最新バージョンへアップデート」は、最新バージョンでないバージョンへのアップデートもありうるので、表現としてはありえなくはないのだろう。
NHKが使用することで、この表現がなじむことがあっていいのかは、少しばかり気になるところだが、言語の変化はこういったところから生まれていくのかもしれない。
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