
トップの見出しには「国葬4200人参列 一般献花2万人超」とある。クリックして記事を見てみよう。
共同通信「安倍元首相国葬挙行、賛否割れ 弔意強制批判も、4200人参列」

共同通信の記事に飛ぶのだ。別にこれに関してはどうでもいい話だ。
安倍元首相の国葬が挙行されたニュースで、4200人参列したことは間違いなさそうだ。
クリックして共同通信の記事を見てみよう。
記事詳細

申し訳程度に最後に「献花台が設けられ長い列ができ、約2万3千人が訪れた。」とある。
あのトップで書いてあった「一般献花2万人超」がここであることは間違いないのだが、最初にクリックして出た見出しはそのことにも触れていないし、この記事のメインで書かれているのは、議論があることをあおっているように見える。
「国葬4200人参列 一般献花2万人超」というより、この記事を総括するならば、
「国葬4200人参列 賛否割れ批判も」あたりだろうか。
一般献花に触れつつもあえて、抗議集会を書くぐらいだ。結局あおりたいのだから堂々とそう言う見出しをつければいいような気もする。
Yahooニュースの仕組みは知らないが、トップの見出しはどういう経緯で付けられるものなのか気になるところだ。
数字報道には気を付けよう
さて、この記事では、ところどころに数字が出てくるので触れておこう。
210を超える国と地域、国際機関の代表団を含め、4183人が参列した。警察は最大約2万人を投入し、一般向けの献花台は約2万3千人が訪れた。
210を超える国と地域、国際機関の代表団
日本が認めている国は、日本を除くと195か国である。そして、42の国際機関が日本に事務所を設けている。ここからすると自然な数だろう。
でもなんで触れたんでしょうね。
4183人
別の報道を見てみると、約6000人に送付したが、4200人にとどまったようだ。
キャパシティが違うが、中曽根首相の合同葬が約650人らしい。
6000人規模なら武道館である必要はあったのか、ちょっと気になる。(葬儀ってそこまでスペースいらなくないか?)
警察は最大約2万人
東京五輪は6万人態勢だったらしい。(参考記事)
ビートルズの警備に3万5000人投入したなんて記事もあるが、これは延べ人数なのかがよくわからない。
広島サミットでも最大2万人態勢を想定しているらしいし、伊勢志摩サミットでも2万規模だったようだ。そのことを考えると比較的順当な数値なのだろう。
と調べていたら、朝日新聞の記事があった。
大喪の礼 約3万2千人
https://www.asahi.com/articles/ASQ9V5D1DQ9VUTIL00Z.html
北海道洞爺湖サミット、約2万1千人
伊勢志摩サミット、約2万3千人
G20サミット、約3万2千人
即位礼正殿の儀、約2万3千人
とのことだ。そう考えると順当であるし、その規模を突発的にやるのはやはり無理でこのぐらいの時間になってしまうのかもしれない。
一般向けの献花台は約2万3千人
「2万3千人」
こう聞いて多いように感じるだろうか?
やはり、普段のかかわる人の数を考えると、とてつもなく大きな数に思えてくる。
家族と、職場・学校で緊密にかかわるのは多くても数十人だろう。
しかしよくよく考えると、東京ドームは5万以上、甲子園は4万5000以上はいるのだ。
案外大した数値に見えなくなってくるだろう。
わざわざ国葬のために献花にそんなに多くの人が訪れるのかと思うかもしれないが、首都圏の人口は4434万人である。そう首都圏の人口は多いのだ。
日帰りで行こうと思えばもっと増えるが、首都圏だけで考えても1%に満たないのだ。
もちろん、個々それぞれ思いはあるし、それを表現する場を設けられ、これだけの人が訪れたのだから、価値はあったのだろう。
しかし、報道で「〇万人」とみても、安直にものすごい多い人がいったわけではないということを覚えておくべきだろう。(それを言うとデモはもっと悲惨になるのだが)
数値のインパクトに騙されないようにしたい
数値はインパクトがある。
万なんて数値は、お金ぐらいでしか普段使わないような気もする。
移動するのは数十km、あって数百だ。
気温も2桁だろうし、大きい数字は身近ではない。
万以上の大きさになってくると、そもそも具体的なイメージなんてわかなくなってくる。
そして、大きいというイメージだけで感じがちだ。
報道で知るべきは「数値」としての値であって、インパクトに騙されないようにしなければいけないのかもしれない。
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